今から書くことは、私の個人的な意見です。
これは、禁煙したいけど止められない方のために、いつか書こうと思っていました。
だから、喫煙中の方を責めている訳ではなく、また窮屈に感じることもないと思います。
禁煙してから7年が経過しますが、タバコを止めて本当に良かったです。
以下、その経緯、理由などを書いていきます。読みにくいですが最後まで読んで欲しいです。それじゃあ、はっじまるよーー!!
20歳から37歳まで毎日タバコを吸っていた。
漠然とタバコを止めたいと思っていたが、決定的な止める理由が出来た。
それまで300円だったマイルドセブン(現メビウス)が2010年10月1日より410円への値上げ。
毎日ひと箱以上、月平均で40箱、金額にして月12,000円だったのが16,400円になる。経済的に無理だったし、さすがに煙にかける費用としては金額的にもおかしい。
値上げが決定打となったが、タバコを吸いつつ他にも思うことがあった。
1.妻から30歳まではタバコを止めてくれと言われていたが7年が過ぎた。
2.タイの国際空港の喫煙室で感じた嫌悪感。中国語を話すアジア人数名がタバコ室で大きい声でしゃべりながら灰皿の周りに痰を吐いていた。灰皿と足元は痰でべちょべちょになっていた。
3.新幹線を降りたあとのタバコ室の見せ物感。どうしようもなくスーツが臭くなるのに吸いに行く自分。
4.イオンのフードコートで本人たちの子供がいるのに平気でタバコを吸う親に嫌気が差していた。
5.ランチを食べるようなところでタバコの煙があることに疑問を感じていた。
6.クルマから火の付いたタバコをポイ捨てしているのを見て、マジで火事になったらどうすんだと思っていた。F1車両が高速走行時に車体をターマックに擦ったような火花が出るから、すぐ分かるんです。ぼく ちゅんちゅんちゅんてきり 言えないんです。
しかし、自力、気合いでタバコを止めることは自分には到底できないと思っていた。
なぜなら、私のニコチン依存度を具体的に書くと
1.毎日20本から30本くらい吸っていた。
2.インフルエンザで40度以上の熱があっても吸う。
3.寝る直前に吸い、3時間後に起きて吸い、また寝て朝起きた直後に吸っていた。
4.3時間程度なら吸わないで我慢できるが実際はイライラしている。
5.3時間を超えると何とかして近くの喫煙場所で喫煙しようとする。
6.外出時もハッキリ禁煙と書かれていない場所では携帯灰皿で吸う。
7.コーヒーを飲むとタバコが吸いたくなる。
8.食後、タバコを吸わないと落ち着かない。
9.会議や勉強会では1時間を超えると実際タバコを吸うことしか考えていない。
10.ニコチンを体に取り入れないで4時間を経過すると目まいがして手足が痺れだしていた。
という具合にタバコを中心にして生きていると言っても過言ではない状態だった。
そこで知り合いの医師に禁煙外来について聞いたところ「ウチで禁煙外来やってるから、いらっしゃい。止める確率上がるよ。」と言われ行くことになった。
禁煙する気持ちの確認同意書やタバコスコア(1日平均本数×喫煙年数≧200でニコチン依存症確定で保険医療扱いとなる)を確認したあと、呼気中の一酸化炭素濃度を機械で測った。
測定値は13ppm。
すると先生から、「何時間前にタバコ吸ったのかな?3時間?そう。一般的な大気汚染の上限値は10ppmなんだどけ、タバコを吸っていると、大気汚染のひどい地域にずっといる感じだよ。それよりも悪いかな。PM2.5が有名でしょ?アレのもっと凄いやつだね。」と言われ驚愕した。
ここで本気の覚悟を決めた。
そして『禁煙手帳』をもらうのだが、ここに当時の気持ちの移り変わりが書いてあり、それは今見ても、ぞっとする。
その画像を解説と共に掲載します。(ここから、ですます調と体言止めが混在します。すまぬ!!)
QUIT SMOKING(喫煙を終了する)
平成22年9月30日 受診
平成22年10月7日より(1本も吸わないと決意)
チャンピックス
チャンピックスという薬を服用します。タバコを繰り返し吸う理由は、ニコチンが肺から血中に入り脳内のニコチン受容体と結合するとドーパミンを発生させます。これがタバコを美味いと思わせ、また幸福感を発生し、タバコを吸えないストレスから解放します。そのニコチン受容体にニコチンより先に結合して、居座ります。するとニコチンを体内に取り入れても、後述しますが、タバコが美味くなくなります。
医療機関を5回、しっかり受診する
医療機関を最終診察を完了するまで5回、しっかりと受診した人は禁煙成功率が50%まで上昇します。なので「5回必ず○○医院へ行く!!」とメモしてます。
チャンピックス服薬の記録
これが一番見せたいものです。
チャンピックスの服用記録、服用個数、タバコ喫煙本数、体重、禁煙の為に掛けたお金、メモ、感じたこと、吸ったつもり貯金、禁煙成功率自己評価パーセンテージなどが書いてあります。
記録の方を詳しく解説すると、
9月30日 服用1個 喫煙本数20本 体重63.8kg 特になし
10月 1日 服用1個 喫煙本数17本 体重64.2kg めまいがする
10月 2日 服用1個 喫煙本数 9本 体重64.0kg 08:00~14:00まで吸わなかった
10月 3日 服用2個 喫煙本数11本 体重64.2kg タバコがうまくない
10月 4日 服用2個 喫煙本数 8本 体重63.4kg うまくないけど吸いたい
10月 5日 服用2個 喫煙本数 7本 体重63.2kg 事務所で2本
10月 6日 服用2個 喫煙本数 7本 体重63.8kg 喫煙グッツを捨てた
10月 7日 服用2個 喫煙本数 0本 体重63.6kg ヤバイです。300回くらい吸いたいと思った。
1日300回くらい吸いたいと思った
忘れもしない、10月7日、この日です。
この日は仕事日でしたが、一日中タバコを吸うことに捉われていました。一緒に働いている人も禁煙成功者でしたが「大丈夫?辛そうだよ?」と心配していました。ガムをむさぼり食い、単純なエクセル作業を、たぶん凄く迷惑なキーボード打音で入力していました。昼食後は3秒に一回、「タバコを吸いたい!!タバコが吸いたい!!」と考えていたと思います。そう思うと同時に「こんなにタバコが吸いたいと思うオレはどうかしている!!」とも自覚できました。
10月 8日 服用2個 喫煙本数 0本 体重64.0kg すすめられたけど断った。○○○○社長
そして次の日、禁断症状が激しい中、お客さんの社長さんに会いました。その時に「あらら、禁煙中なの?なんだタバコ止めちゃうのか~!おいしいよ~!1本吸う?ほら、1本くらい吸ってみたら?(笑」と勧めてきました。もちろん断りましたが、あのニヤついた顔は今も思い出せますね。相手の社長さんは冗談かも知れませんが、当時は帰りのクルマの中で「マジでアイツなんなん?」とブチ切れていたように記憶しています。後日、その社長さんは初期の肺ガンが見つかり、無事にタバコを止めてました。現在もバリバリ働いてますが、取引は現在終了しています。
3~4週目
薬で吐き気がよく起きました。ニコチンの禁断症状かも知れません。そして、空きっ腹にコーヒー→換気扇でタバコ→うんこ、のコンボで朝のサイクルを行っていたので、酷い便秘になっています。これについては3コ上の写真ページ16に『浣腸』を購入したと記録しています。以後、浣腸を購入する抵抗が無くなり、イチジク浣腸の箱を手で持ってレジに行き、「シールで。袋不要です。」と堂々購入できるようになりました。かっこいいですよね。
4週目は3日連続でタバコ吸いたいと書き残しています。
とうとう、禁煙あるあるの『夢でタバコを吸う』を発動
夢で3本吸って目が覚めて「ヤバイ!!ここまで我慢したのに吸ってしまった・・・!」と思い、しばらく現実に吸ったと勘違いしていました。
それでもタバコを止められる自信がついてきました。
51日目、チャンピックスの服用を止める
11月20日、不思議と薬を飲まなくても大丈夫な自信がありました。また吸いたくなったら薬を飲もう、しかしお医者さんには通院しようと思ってました。
5回、きっちり通院した
大気汚染のひどい地域と同じだった私の呼吸は、タバコを吸っていない人と同じレベルになりました。お医者さんにも「禁煙成功です。」と言ってもらいました。
あの時の資料は全部残してある
あのタバコを止めた初日、1日に300回、タバコを吸いたいと思ってからの一週間、こんなにも禁断症状が出るものを誰でも、簡単に、どこでも手に入れることができるのは、完全におかしいと、日本ってどうかしているのではないかと、本気で思いました。止める時に、こんなにも苦しむものをいとも簡単に入手できる日本を逆恨みしました。その一週間は、社会が悪いことにしてバランスを保ちたかったのだと思います。今は、その考えは当時の1/100くらいになってます。若年層の大麻のゲートウェイドラッグになったりするかも知れないと少し心配しています。
あの時の苦しみを忘れない為に、全て保存してあります。あの時、苦労して禁煙が成功したのに、また吸ってしまったら全てが無駄になる。あの時、あんな辛い思いをしたのに、また繰り返してなるものか!と自分に言い聞かせる為に。
吸っている時には、全く気付きませんでしたが、麻薬だったのです。自分の吸っていたのは、脳が激しく要求する、脳内の奥底から涌き出る欲求、心ではなく原始的に沸き求める感覚を満たそうと行動しようとするものだったと気付きました。これは決して大げさに書いているのではなく、自分の経験で書いています。そして何年も過ぎて、本当に中毒、依存症だったのだと知りました。
タバコを吸うとストレス解消になる、落ち着くは完全に間違いで、吸えないストレスの方が遙かに上回っています。吸えないストレスそのものが無くなるので、と言うか吸えないこと自体がストレスだったことに気づかされます。
また、むちゃくちゃマナーを守っている良識のある喫煙者だったと錯覚していました。人には迷惑を掛けていないと自負していましたが、それでも臭いを出してました。
あれから1本も吸ってないですが、禁煙を3年していた友人が、ふとしたキッカケで1本吸ったら、これがメチャメチャ美味いと言っていました。禁煙する前よりタバコの本数は増えたそうです。こんなに美味いものをもう二度と止められないかも知れないと言っていました。
ニコチン中毒から解放されても『タバコを吸うという行為』が長年にわたり体に染みついていたため、何か足りない気がします。これは1年くらい続きました。食後にタバコを吸わないと食事が終わった感覚がないので、また食べたり、満たされない欲求を食事で補おうとするため、食べ過ぎになり、体重が増加します。
一時的に私の体重はMAXで71kgになりました。禁煙が成功したので、今度はダイエットに挑戦しました。あの苦しい禁煙生活を乗り越えたので自信がありました。結果、14kgを減量しダイエットも成功。57kgになり体重は28歳くらいの時に戻りました。
メリットとデメリット
ありきたりですがメリットとデメリットを箇条書きで書いてみます。
メリット
・吸えないでイライラすることがゼロになった。
・朝起きて喉が痛くない。
・痰が絡まない。
・風邪を引きにくくなった。
・業務に集中できる。
・外国では日本より規制が厳しいので、国外へ行くのが楽になった。
・喫煙場所を探さなくて良くなった。
・無駄な出費がなくなった。
・コンビニなどでタバコを買うついでに、買っていた出費がなくなった。
・運動時に息が楽になった。
・自動車、服、部屋、周囲がタバコ臭くなくなった。(しかし、これについては禁煙後にしか分からない事実だった。)
・御飯が美味しい。
・塩分を強く感じられるので、使用する醤油の量が劇的に減った。(具体的には、納豆が真っ黒になるまで醤油を足していた。)
・台所の換気扇の付近やクルマの中が灰で汚れない。
・妻や子供に心配をかけない。
・近所に迷惑をかけない。
・ニコチンのコントロールから脱することができる。(私は百害あるけど五利くらいあるんだよ、と妻に言っていたが、のちに一利もないことを実感した)
・冬場、寒い外に行かなくていい。
・鼻毛が飛び出てることがなくなった。(気が付くと太くて長い鼻毛が出てます。)
デメリット
なし。
(タバコ室で行われる5分間ミニ会議については、聞き取りをする癖がついた。)
妻に感謝します
禁煙を決意し、いよいよタバコを止める前日、私は自信がありませんでした。そして妻へ『タバコ止めるけど 1年間、毎日410円ずつ お金をもらいたい。10/1~もらったお金は ご褒美として自由に使わせてほしい。 H23.9.30まで。 10/6 AM11:47』というメモを見せて了承を得ました。そして約3ヶ月間、欲しかったゲームを合計4万円ほど購入したと思います。欲しいゲームをほとんど購入したあとは、本当に貯金しました。そして13万円ほど貯まったところで、家族でディズニーランドに行きました。吸ったつもり貯金で家族旅行に行けたのです。ディズニーシーでは、あのストームライダーの手前にあったタバコ休憩所でタバコを吸わなくても良くなったのです。
最後に
なるべく私に起きた事実を忠実に書いているつもりの、このエントリーが喫煙者からも非喫煙者からも反論や批判が出るのは承知です。私は大人になってから両方の立場を経験しました。どちらの気持ちも理解できます。
自分はいつでも止められる、そういう人も沢山いるでしょう。お酒の席でしか吸わないという人もいるでしょう。依存度は人それぞれです。
この話をしてタバコを止めた人が十数人います。この手帳を見せると笑っていた顔が引きつります。
このエントリーが、あなたの禁煙したい気持ちを後押しすることを願って終わりにします。